引千切
初桜(ねりきり)
いよいよ3月、今週末はひな祭りですね。
私茶ゐ子のSNSのページを見ると、
友人たちが、娘さんのためにお雛様を飾り「間に合ったー」と安堵する様子がたくさん見受けられます。
垣間見るたびに、三十数年、毎年飾り続けてくれた母(店長)に感謝して、
さらに今年もお雛様を見られることに喜びを感じています。
今週のお菓子 引千切は【ひちぎり】と読みます。
読み間違えたオーナーが、商品紹介に「引きちぎり」と書いて笑いを誘ったのですが、
あながち間違いでもないようです。
まあるい鏡餅のような餡の上にお花が咲いているような形で、一端がにょきっと引っ張られています。
昔、宮中のお祝いの時にお餅を用意したところ、たくさんつき過ぎて丸めるのが大変になり、引きちぎってお餅を食べた、ということが、このお菓子の形と名前の由来だそうです。
このお菓子は京都では、ひな祭りをお祝いする和菓子として今に伝えられています。
そんなエピソードを造形してお菓子としてお祝いに使い続けるなんて、
きっとその宴は、お嬢さんの成長を祝って行われ、みんなで大きなお餅を囲み、摘みながら、楽しい時間になったのだろうな。
そんな風に思えて、微笑ましくなりました。
神奈川生まれのわたしは、ひな祭りにひちぎりを食べるという習慣は初耳で、
知ることができて嬉しかったです。
そろそろ河津桜が爛漫と咲く時期ですね。
ねりきりの初桜もお抹茶にもコーヒーにもぴったりです。
春を感じさせる今日から一週間のお菓子ですので、是非お召し上がりください。